むかしむかし、幸せな5人家族がいました。
Iam estis feliĉa familio.
3人兄弟は、決して喧嘩をしたことがありませんでした。家事や畑仕事で両親の手伝いをしていました。
Ili neniam interbatalis. Ili helpis siajn gepatrojn hejme kaj kampe.
けれども火の近くには近寄ってはいけないと言われていました。
Sed ili ne rajtis proksimiĝi al fajro.
彼らがお手伝いをするのは、決まって夜の間だけでした。ワックスでできているので、溶けてしまうからです。
Ili ĉiam devis nokte fari sian laboron. Ĉar ili estis faritaj el vakso.
けれども、兄弟の一人はお日さまのいる風景を見たくて、外出したくて堪らなくなりました。
Sed unu el la knaboj sopiris eliri en la sunlumon.
ある日、彼は思いのまま外に飛び出していきました。兄弟たちが必死に止めようとしたのですが……。
Iun tagon la sopiro estis tro forta. Liaj fratoj avertis lin…
それも間に合いませんでした!太陽の熱で彼は溶けてしまいました。
Sed jam estis tro malfrue! Li fluidiĝis pro la varmega suno.
ワックスの子供たちは兄弟が溶けていくのを見てとても悲しくなりました。
La vaksinfanoj tiel malĝojis vidi sian fraton forfandiĝi.
しかし、彼らには作戦がありました。溶けてしまったワックスの塊で鳥の形にするというものでした。
Sed ili faris planon. Ili formis la fandiĝintan vakson kaj kreis birdon.
彼らは鳥に生まれ変わった兄弟を高い山の頂上までは運びました。
Ili transportis sian birdo-fraton supren al alta monto.
お日さまが昇ると、鳥となった兄弟は、歌を歌いながら、朝日の光の方へ飛び立って行きました。
Kaj kiam la suno leviĝis, li forflugis kantante en la matenlumo.